債券投資|FP3級Wiki

利息の計算方法や、個人向け国債の商品性など少し難しい項目になります。しっかり学習しましょう。
債券は一般に、市場金利が上昇すると債券価格が下落し、利回りは上昇します。

       

債券投資とは

債券とは、資金を集めたい組織が(この場合だと国や地方自治体、企業など)が投資家に対して発行する借用証書のようなもの。 購入者は一定期間資金を貸し与えることで、その期間、利子を得ることができ、償還日には原則、額面金額(100円)の支払を受けることが約束されている。市場で時価売却できるが、市場での債券価格は変動する(価格変動リスクという)。

債券の種類

  • 利付債:毎回決まった時期に利払いがある債券
  • 割引債:額面よりも低い価格で発行され、償還価格との差額を利益とする債券。利子は支払われない。

債券の仕組み

1.表面利率(クーポンレート)

額面金額(100円)に対して支払われる1年間の利子(クーポンと呼ぶ)の割合

2.発行価格

額面金額100円に対しての発行時の価格を指す。必ずしも100円で発行されるわけではない。

3.償還期限

額面金額が償還される期日をいい、額面(100円)で償還される。

       

債券の利回り計算

利回りとは1年あたりの利益を投資元本で割ってパーセントで表したもの

応募者利回り

新規発行された債券を購入し、償還期限まで所有した場合の利回り。最初から最後まで持っていた場合の基本形ですね。

応募者利回り

最終利回り

すでに発行された債券(既発債)を時価で購入し、償還期限まで所有した場合の利回り。

最終利回り

所有期間利回り

債券を償還期限まで所有せず、途中売却した場合の利回り。

所有期間利回り
       

債券投資のリスク

債券投資は比較的安全とは言えども様々なリスクがあります。

金利変動リスク(価格変動リスク)

市場金利の変動によって債券価格が変動するリスクの事。基本的に逆の動きをする。
市場金利が上がれば債券価格は下がり、債券価格が上がれば利回りは低下する。

信用リスク(デフォルトリスク)

債券の発行体の経営不振などの問題で利子の支払いや元本償還不能になるリスクのことを信用リスク(デフォルトリスク)という。
信用リスクは格付けで表示される。
格付は最低のDから最高のAAAまで細かく分かれている。
一般に格付けが高いほど債券価格が高く、利回りは低い。
BBB(トリプルB)以上は投資適格債券となり、BB以下は投機的債券(ギャンブル性が高いということ)となる。
信頼性が低ければ誰も買いたくないので利率が高くなってくるという訳ですね。

       

個人向け国債

個人のみ購入可能な国債。10年変動金利型、5年固定金利型、3年固定金利型があり、いずれも最低利率が保証されている。
ちなみに募集条件は取扱機関で変わらない。

  • 毎月募集がある
  • 額面1万円単位での購入が可能。
  • 利払いは半年ごと
  • 金利水準は(10年変動型)基準金利×0.66、(5年固定型)基準金利-0.05%、(3年固定型)基準金利-0.03%
  • いずれの商品も0.05%の最低利率が保証されている。
  • 中途換金は発行1年後から可能になる。

関連リンク:財務省個人向け国債トップページ,スタディング FP講座

       

それでは過去問を解いてみましょう。

問④のみ〇✕でお答えください。

問① 表面利率(クーポンレート)1.2%、残存期間4年の固定利付債券を、額面100円当たり101円で購入し、2年後に額面100円当たり100円で売却した場合の所有期間利回り(単利)は、(  )である。なお、税金や手数料等は考慮しないものとし、答は%表示の小数点以下第3位を四捨五入している。

  1. 0.69%
  2. 0.73%
  3. 0.87%

問② 個人向け国債は、適用利率の下限が年(①)とされ、購入単価は最低(②)から(②)単位である。

  1. ① 0.03%  ② 1万円
  2. ① 0.05%  ② 1万円
  3. ① 0.05%  ② 5万円

問③ 債券の信用格付とは、債券やその発行体の信用評価を記号等で示したものであり、一般に、(  )格相当以上の格付が付された債券を、投資適格債という。

  1. A(シングルA)
  2. BBB(トリプルB)
  3. BB(ダブルB)

問④ ある債券の信用リスク(デフォルトリスク)が高まった場合、一般に、その債券の価格は下落し、利回りは上昇する。

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解答

問① 1 問② 2 問③ 2 問④ 〇