所得税|FP3級Wiki

なんか作成していくうちに難しいページになってしまったんですが、FP3級ではそこまで詳しくは出ません。ですが、端折りようがない項目です。全体像を掴むような形で学習していただき、赤字のところは押さえておきましょう。

       

居住者・非居住者の存在とその課税範囲

所得税的には日本に住む者(というか関わる者)を居住者と非居住者に分けている。
居住者、非居住者問わず、日本で得た所得は課税対象になるし、居住者は海外で得た所得も対象となってくる。
居住者には非永住者の居住者という者もいて、出稼ぎに来ている外国人の方をイメージするとわかりやすい。

居住者とは、国内に住所がある、もしくは、国内に1年以上居所がある個人。

種類定義課税所得の範囲
居住者居住者のうち非永住者以外国内外すべての所得
非永住者の
居住者
居住者のうち日本国籍が無く、
かつ過去10年で5年以下の
期間しか国内に住所や居所が
無かった個人
・日本国内に源泉のある所得

・外国に源泉のある所得で
日本国内で支払われたものや、
国外から送金があったもの。
非居住者居住者以外の個人日本国内に源泉のある所得
源泉というのは温泉でいうところのお湯が沸いて出てくるところです。利益の源。

主な非課税所得(一部)

福祉目的、厚生的な面、いろいろな理由で税金を掛けない所得(非課税所得)がある。

  • 傷病者・遺族が受け取る恩給や年金(遺族年金、障害年金)
  • 給与所得者が勤務先から受け取る通勤手当(月15万まで)および職務上必要な現物給与(制服等の支給や貸与)
  • 生活用の譲渡による所得(生活に通常必要な家具とか衣類とか。貴重品は1個1組が30万円以下の物まで)
  • 心身に加えられた損害に対する損害賠償金や慰謝料など
  • その他、宝くじ当選金品など
       

所得税の計算過程

  1. 収入ー必要経費=所得
  2. 損益通算できるもの同士の所得を損益通算
  3. 所得-所得控除=課税所得←税金を掛けるための所得
  4. 課税所得×税率=税額
  5. (税額-税額控除)×1.021(復興特別所得税)=納税額

※復興特別所得税は算出された所得税額に2.1%を掛けたものです。課税所得にじゃありません、税額に2.1%です。注意。

所得税の計算手順

これ、一応載せるんですがFP3級ではなんとなく全体の流れだけを分かってもらえればOKです。

計算手順
       

課税の基本的な仕組み

課税対象個人単位課税の原則に従っている。世界的には世帯単位課税の国もある。
課税期間1月1日から12月31日までの暦年単位課税の原則に従っている。

超過累進税率

この国は超過累進課税を採用しており、所得が高い人ほど税率が高くなる仕組みになっている(5~45%の7段階)。

参考:所得税の速算表(所得税額=課税所得金額×税率-控除額)

課税所得金額税率控除額
195万円以下5%
195万円超~330万円以下10%9万7,500円
330万円超~695万円以下20%42万7,500円
695万円超~900万円以下23%63万6,000円
900万円超~1,800万円以下33%153万6,000円
1,800万円超~4,000万円以下40%279万6,000円
4,000万円超45%479万6,000円
計算で出た所得税にさらに復興特別所得税2.1%が掛かります。
       

総合課税と分離課税

所得税はすべての所得をまとめて課税する総合課税が原則ですが、分離課税というのもあります。
分離課税は、所得の種類や納税者の社会的配慮、政策上の理由などから総合課税とは分けて、個々の税率で課税する。

総合課税各種所得を合算した課税総所得金額超過累進税率を乗じる
分離課税
(申告分離課税)
総合課税の対象となる所得とともに確定申告により納付する
分離課税
(源泉分離課税)
源泉徴収の対象となり、確定申告不要
源泉徴収とは利益を受ける時にすでに税金が引かれてくるものです

分離課税となる主な所得

申告分離課税

譲渡所得土地建物等の譲渡所得
株式等の譲渡所得
山林所得山林の伐採または譲渡による所得
退職所得退職により一時に受ける給与による所得
配当所得一定の上場株式等の配当所得
利子所得特定公社債等(国債公募公社債投資信託)の利子所得

源泉分離課税

利子所得預貯金等の利子所得

外部リンク:国税庁HP,スタディング FP講座

       

それでは過去問を解いてみましょう。

すべて〇✕でお答えください。

問① 所得税において、交通機関を利用して通勤している給与所得者に対し、勤務先から通常の給与に加算して支払われるべき通勤手当は、最も経済的かつ合理的と認められる運賃等の額で、月額15万円を限度に非課税とされる。
問② 所得税において、老齢基礎年金や老齢厚生年金に係る所得は、非課税所得とされる。
問③ 所得税において源泉分離課税の対象となる所得については、他の所得金額と合計せず、分離して税額を計算し、確定申告によりその税額を納める。
問④ 所得税においては、原則として、超過累進税率が採用されており、課税所得金額が多くなるに従って税率が高くなる。
問⑤ 所得税法における居住者(非永住者を除く)は、原則として、国内で生じた所得について所得税の納税義務は生じるが、国外で生じた所得について所得税の納税義務は生じない。

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解答

問① 〇 問② ✕ 問③ ✕ 問④ 〇 問⑤ ✕