保険制度全般|FP3級Wiki

保険制度の全体を学びますが、保険業法がその中心です。募集禁止行為あたりを重点的におぼえましょう。

1.保険業法

保険業法は「業」ですので、金融庁が保険会社を取り締まるための法律といった感じです。保険法と混同注意です。

保険業法による募集行為

保険業法による保険募集人の募集方法には代理媒介がある。

代理

保険募集人が承諾をすれば、その保険契約が成立する形態

媒介

保険募集人が保険契約の勧誘を行い、保険契約の成立は保険会社の承諾による形態。承諾待ちになる。

       

保険募集に関する禁止行為(保険業法300条)

  • 重要事項の不告知:保険契約の判断に影響を及ぼす重要な事項を説明しない行為
  • 告知妨害:重要な事実の告知を妨げる行為
  • 不当な乗換行為:不利益になる事実を告げずに保険の乗換えを勧める行為
  • 特別な利益の提供:保険料の割引や割戻し行為等
  • 不当な比較表示:他の保険と比較して有利な点のみ表示し誤解を招く行為等
  • 不当表示:将来の不確実な事項を確実なものとして表示する行為
  • 保険会社の特定関係者による特別利益の提供
  • 保険契約者保護に欠ける恐れがある行為:契約内容を本人以外に開示する行為など
  • 虚偽のことを告げる行為

2.クーリングオフ制度

申し込みを撤回できる法律。
契約者は「契約の撤回についての事項を記載した書面」を交付された日か「申込日」のいずれか遅い日から、その日を含めて8日目までに書面で申し込みを撤回することができる。

ただし、医師の審査が終了した契約、法人契約などはクーリングオフ対象外になる。

       

3.ソルベンシーマージン比率

保険会社が通常のリスクを超えるリスクに対応する際の支払能力を示したもの。
200%を下回ると危険水域。金融庁から早期是正措置が下る場合がある。

4.保険契約者保護機構

保険会社が破綻した場合に保険契約者を保護する制度。受け皿となった保険会社に資金援助をしてくれたり、救済会社が無い場合は機構自ら契約を引き受けたり承継会社を設立したります。
国外に本社がある場合も含め、国内で営業するすべての生命保険・損害保険会社は、生保・損保それぞれの保険契約者保護機構への加入が義務付けられている。銀行窓口やかんぽ生命で加入する保険も対象。

少額短期保険業者共済は加入していないので対象外となる。

生命保険契約者保護機構の補償内容

  • すべての保険契約が対象(最低保証のない商品等はのぞく)
  • 原則として破綻時の責任準備金※の90%まで補償(高予定利率契約(戻りがいいヤツ)は90%未満の場合もある)

責任準備金(保険金や解約金ではない)とは将来の支払に備えて、保険料の一部を積み立てている積立金のこと

損害保険契約者保護機構の補償内容

主な保障内容

  • 自賠責保険・家計地震保険100%
  • 自動車保険(任意)・火災保険・賠償責任保険等:保険金=80%(3か月以内は100%)、満期・解約=80%
       

5.少額短期保険業者

免許制ではなく登録制の保険業者。
取り扱える生命保険商品は少額・短期・掛捨てに限られ、保険金額は原則、1人あたり1,000万円以内。

6.保険法

保険法とは保険契約に関する一般的な契約ルールを定めたものです。

告知義務違反

契約者ならびに被保険者は、保険会社に対して健康状態などの告知をする「質問応答義務」があり、故意または重大な過失により重要な事実を告知せず、または不実の告知をした場合は告知義務違反となる。

告知義務違反があった場合、保険者は原則として保険契約を解除できるが、解除権は、保険者が解除の原因があることを知った時から1カ月間行使しないとき、または契約締結の時から2年(保険法では5年)を経過した時は消滅する。

保険募集人が契約者または被保険者による告知を妨げたり、不実の告知をすることを勧めた場合、原則として保険会社は告知義務違反を理由として契約解除をすることはできない

参考:㈳生命保険協会,スタディング FP講座

       

それでは過去問を解いてみましょう。

問①と問③は〇✕でお答えください。

問① 国内銀行の支店において加入した一時払終身保険は、生命保険契約者保護機構による補償の対象である。

問② ソルベンシー・マージン比率は、保険会社が、通常の予測を超えて発生するリスクに対し、保険金等の支払余力をどの程度有するかを示す指標であり、この値が(   )を下回ると、監督当局による早期是正措置の対象となる。

  1. 200%
  2. 250%
  3. 300%

問③ 保険法の規定によれば、保険契約者や被保険者に告知義務違反があった場合、保険者は原則として保険契約を解除することができるが、この解除権は、保険者が解除の原因があることを知った時から1カ月間行使しないとき、または契約締結の時から5年を経過したときは消滅する。

問④ 保険業法上の保険募集において、(①)とは、保険募集人が保険契約の勧誘を行い、保険契約の成立は保険会社の承諾による形態を指し、(②)とは、保険募集人が承諾をすれば、その保険契約が成立する形態を指す。

  1. ① 代理  ② 媒介
  2. ① 斡旋  ② 代理
  3. ① 媒介  ② 代理

問⑤ 少額短期保険業者による取扱商品は「少額・短期・掛捨て」に限定され、1人の被保険者から引き受ける保険金額の総額は、原則として(   )が上限となっている。

  1. 1,000万円
  2. 1,200万円
  3. 1,500万円

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解答

問① 〇 問② 1 問③ 〇 問④ 3 問⑤ 1

助手のウィキ子

ソルベンシーマージン比率は良く出てきます。
200%が基準ってやめて欲しいよね。
なんで100%じゃないの(-_-;)