公的年金|FP3級Wiki
日本の年金は階層型。国民年金が1階、厚生年金が2階、私的年金が3階となっています。
自営業の人は2階がないので国民年金基金などに加入して2階部分を補う必要がありますね。
ここは概要となりますので、全体像をしっかり把握して次に進みましょう。
1.公的年金の全体像
この国の年金制度は3階建てです。
国民強制加入である国民年金を1階部分として、
サラリーマン、公務員が加入する厚生年金保険が2階部分。ここまでが公的年金です。
企業年金や確定拠出年金などの私的年金が3階部分となります。最近iDeCoが話題です。
自営業などは国民年金基金が2階部分となります。
原則、職業等により被保険者の種類が変わる
2.国民年金
被保険者
国民年金の被保険者は3種類に分類される。外国籍でも入れます。
第1号被保険者 | 日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人で、2号3号じゃない人 |
第2号被保険者 | 民間会社員や公務員などの厚生年金や共済組合の加入者 |
第3号被保険者 | 第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者 |
第2号被保険者の退職後の公的年金(種別変更)
(夫婦とも20歳以上60歳未満、妻が専業主婦の場合の例)
- 会社を退職した夫:第2号被保険者→第1号被保険者
- その夫に扶養されていた妻:第3号被保険者→第1号被保険者
年金の請求
年金の支給は自ら手続きが必要となる。
支払月
国民年金や厚生年金保険などの給付は後払制で、原則偶数月の15日にそれぞれ前2か月分の年金が支給される。
3.国民年金保険料
保険料の納付
第1号被保険者は自分で保険料を納めます。
- 納付期限は翌月末日
- 口座振替で割引が受けられる
- 6ヶ月、1年、2年分を前納すると割引が受けられる
- 滞納保険料の追納ができるのは納付期限から原則2年分
2号3号はお給料から引かれているので直接納付することはありません。
保険料の免除・猶予
事情があって保険料を納める事が難しい人には免除や猶予の制度があります。
免除・猶予された保険料は、10年前までさかのぼって追納することが可能です。
産前産後期間の免除については納付済期間として取り扱われるので追納の必要はありません。
免除・猶予要件 | |
---|---|
法定免除(全額) | 障害基礎年金等の受給権者等 |
申請免除(多段階免除) 全額免除・4分の3半額免除・4分の1 | 本人、配偶者および世帯主の 前年の所得が所定の額以下 |
学生納付特例制度(全額) | 学生本人の前年の所得が所定の額以下 |
納付猶予制度(全額) | 50歳未満の本人および配偶者の 前年の所得が所定の額以下 |
産前産後期間の免除 | 原則、出産予定日等の前月から4か月間 |
保険料が猶予された期間について追納が無い場合、老齢基礎年金の受給資格期間には算入されるが、年金額には反映しない。
4.厚生年金保険と厚生年金保険料
厚生年金保険適用事業所に勤める70歳未満の者が加入する。保険料は労使折半(ワリカン)で負担する。
産前産後休業や、満3歳未満の子を養育するための育児休業等の期間は、被保険者も事業主も保険料が免除されて納付済となる。
年金額は払込直前の標準報酬月額で保険料を納付した期間として計算される。
5.年金支給のイメージ
自営業者(第1号被保険者)、専業主婦(第3号日保険者)は、原則として65歳以後に国民年金から老齢基礎年金が支給される。
会社員(第2号被保険者)は、原則として65歳以後に国民年金から老齢基礎年金(1階部分)と、厚生年金保険から老齢厚生年金(2階部分)が支給される。
特別支給の老齢厚生年金
生年月日に応じて、60歳台前半に特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分と言う)が支給される者もいる。これは、その昔60歳から受け取れたハズが65歳に改正されたためで、一部の年代のみの救済的なルール。今の現役世代はほぼ受けられない。
加給年金と振替加算
老齢厚生年金の受給権者(加入期間240月以上)が65歳到達時に一定の要件を満たす配偶者や子がいる場合には加給年金額が加算される。
扶養者がいると1人の年金では大変なので応援してくれるわけですね。
なお、受給年金に加給年金額が加算されている場合で、配偶者が65歳になって当人が老齢基礎年金の受給権を得ると、加給年金は打ち切りとなるのだが、その配偶者本人の老齢基礎年金に振替加算が加算される(S41.4.1以前生の配偶者に限る)。
外部リンク:国民年金保険,厚生年金保険,スタディング FP講座
それでは過去問を解いてみましょう。
問①は〇✕でお答えください。
問① 国民年金の第1号被保険者の収入により生計を維持する配偶者で、20歳以上60歳未満の者は、国民年金の第3号被保険者となることができる。
問② 国民年金の被保険者が学生納付特例制度の適用を受けた期間は、その期間に係る保険料を追納しない場合、老齢基礎年金の受給資格期間(①)、老齢基礎年金の年金額(②)。
- ① に算入され ② にも反映される
- ① に算入されず ② にも反映されない
- ① には算入されるが ② には反映されない
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解答
問① ✕ 問② 3
問①も問②も、つまり、払うもんは払いなさいって事よね・・・。
公的年金といえどもなかなか厳しいわね(-_-;)