社会保険|FP3級Wiki

可処分所得を計算するときに引かれることになる社会保険関係です。
強制的に加入させられるものですが、私たちの生活を支える重要な保障たちです。
国保、健保、介護保険、労災保険、雇用保険。 本来は大ボリュームなんですが、FP3級ではさらりと出ます。
それぞれの要点を抑えていきましょう。

1.公的医療保険

病気やケガ、出産などの際に給付が受けられる公的保険です。
日本は国民皆保険制度と言って、原則、全員が保険に加入している形式を取っています。原則。

1.健康保険と国民健康保険の概要

この国は国民皆保険なので基本的にはいずれかの制度に加入する義務があります。義務です。

会社員とその家族などは健康保険に、自営業者やその家族などは国民健康保険に加入します。公務員等は共済保険があります。
75歳以上は皆、後期高齢者医療制度に加入します。
健康保険(会社員等)には全国健康保険協会管掌健康保険組合管掌健康保険が存在します。

各健康保険と国民健康保険の違い

全国健康保険協会
管掌健康保険(協会けんぽ)
組合管掌健康保険国民健康保険
保険者全国健康保険協会健康保険組合都道府県および市町村
(特別区含む)国民健康保険組合
保険料負担事業主と折半(ワリカン)組合規約で定める全額個人負担
組合は会社同士が寄り合って、協会けんぽは厚労省が法人たててやっています

医療費負担割合について(共通)

※今現在、こどもの病院代が掛かりませんが、それは出題に考慮しません。本来の決まりは以下のとおりです。

  • 小学校就学前:2割
  • 小学校就学後70歳未満:3割
  • 70歳以上:2割(現役並み所得者は3割)

差額ベッド代先進医療の技術料などは対象外になるので全額自己負担です。

2.健康保険と国民健康保険の主な給付

保険ですから何かが起きれば給付が受けられる仕組みになっています。

傷病手当金

病気休業中の生活保障のために支給される継続的な給付。被扶養者や国保の人には無い
3日間連続して働けない場合、休業4日目から支給される。
支給額は1日当たり直近12か月間の標準報酬月額を平均したあと30分の1して日割りにし、その3分の2相当の金額です。
支給期間は支給を始めた日から1年6か月です。

出産育児一時金

被保険者または被扶養者が出産すると42万円が一時金でもらえる。
産科医療補償制度に未加入の病院だと408,000円になる。

出産手当金

出産休業中の生活保障のために支給される継続的な給付。被扶養者や国保の人には無い。
支給対象となるのは、出産日以前42日(多胎であれば98日)から出産の翌日以後56日までの期間内に、
会社を休んだ日数分が支給対象となります。
支給額の算出方法は傷病手当金と同じです。

高額療養費

同一月の同一医療機関での一部負担金が、自己負担限度額※を超えた場合にその超過分が支給される。
つまりそれ以上は負担しなくていいよってこと。

健保の場合の高額療養費の例(70歳未満)
所得区分自己負担限度額(月額)
83万以上252,600円+(総医療費ー842,000円)×1%
53~79万167,400円+(総医療費ー558,000円)×1%
28~50万80,100円+(総医療費ー267,000円)×1%
26万以下57,600円
住民税非課税者35,400円
4か月目以降はさらに有利になります

3.退職後の公的医療保険

任意継続被保険者

一定要件に該当すると、退職後も任意継続被保険者として2年間だけ健康保険を被扶養者と共に継続することができます。

条件は下記のとおり。

  • 資格喪失の前日までの被保険者期間が2か月以上あったか(かつ75歳未満で)
  • 退職日の翌日から20日以内に申請する
  • 保険料は全額自己負担(被扶養者は不要)
  • 被扶養者は配偶者や親族などで年収130万円未満(60歳以上や障害者は180万円)で75歳まで

国民健康保険

任意継続被保険者にならずに国民健康保険の被保険者になることもできる。その場合は退職日の翌日から14日以内に加入手続きをする。

後期高齢者医療制度

後期高齢者医療制度の加入対象者は75歳以上の者、もしくは一定の障害をもつ65歳以上の者です。
被扶養者の制度はないので対象の国民が個人単位で加入することになります。
運営するのは各都道府県ごとの後期高齢者医療広域連合で、医療費負担は原則1割(現役並み所得者は3割)になります。2022年10月から1割2割3割の3段階になる。

2.公的介護保険

加齢などで介護が必要な状態になった時に、サービスを受けるための制度です。

介護保険の保険者は市区町村および特別区。 加入者は市区町村等から要支援や要介護の認定を受けるとその段階に合わせた介護サポートを受けることができる。
介護保険を利用する場合、限度額の範囲内なら原則1割負担。 高所得者は1号被保険者のみ2割~3割負担となる。

第1号被保険者第2号被保険者
対象者65歳以上の者40歳以上65歳未満
受給権者要支援・要介護の者
(注)原因問わず
要支援・要介護の者
(注)末期がんや加齢による特定疾病
に該当した場合に限り給付
(交通事故などは対象外)

3.労働者災害補償保険

労働者の業務中や通勤中の災害(ケガや病気)を補償する保険です。

  • 保険者(加入元):政府。窓口は都道府県労働局や労働基準監督署が担う。
  • 適用労働者:全従業員
  • 保険料:事業主全額負担
  • 給付対象:労働者の業務上(仕事掛持ちも総合的に見て)や通勤による、負傷、疾病、死亡等

労災きっかけで労働できず賃金が受けられない場合に、
休業(補償)給付として休業4日目から日額60%相当額が給付されるようになる。

4.雇用保険

働いている人や、退職した人の生活を支えるための保険です。

保険者(加入元)政府。窓口は公共職業安定所(ハローワーク)が担う。
被保険者週20時間以上勤務かつ短期バイトなどではなく31日以上継続して雇用されること
代表取締役や個人事業主は対象外
保険料保険料は使用者と労働者の共同負担

基本手当の給付

働く意欲がありながら仕事を失った人に対しては基本手当があります。

受給資格要件
(被保険者期間)
離職日以前の2年間で通算12カ月以上あること。
所定給付日数
(支給限度日数)
・自己都合退職や定年退職の場合は、被保険者期間で決まる(最大150日分)

・特定受給資格者(会社都合)や一定の特定理由離職者(親の介護など)は
被保険者期間と離職時の年齢で決まる。(最長330日)
受給のタイミング最初の7日間は待期期間となる。
自己都合の場合はさらに原則2か月(一定の場合3ヵ月)
の給付制限がある。
基本手当と特別支給の老齢厚生年金は併給できない

その他の主な給付

高年齢雇用継続基本給付金

60歳以後に再雇用などで給与が下がる人を救済するための制度。

被保険者期間が5年以上あった者の60歳以上65歳到達月までの賃金が、 原則として60歳時点の賃金に比べて75%未満に低下しているときに、 最長65歳到達月まで支給される。 ※給付を受けている間は特別支給の老齢厚生年金は所定の金額が減額となる。

育児休業給付金

育児休業中で収入が無い期間を救済する制度。

被保険者が1歳(保育所の保育の実施が行われない場合は1歳半又は2歳)未満の子のために 育児休業を取得すると育児休業給付金の支給を受けることができます。
休業開始前2年間に被保険者期間が通算12カ月以上必要で、その場合は事前に事業主へ申し出ること。
給付額は休業前賃金日額67%、180日経過後からは50%です。

教育訓練給付

<一般教育訓練給付金>

能力開発を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図る目的の制度。
一般教育訓練:教育訓練に払った費用の2割(上限10万円)
特定一般教育訓練:教育訓練の払った費用の4割(上限20万円)

<専門実践教育訓練給付金>

中長期的なキャリア形成を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図る目的の制度。
教育訓練に払った費用の5割(年間上限40万、4年間上限160万)を支給。
さらに訓練終了後1年以内に就職できた場合は2割上乗せの7割(年間上限56万、4年上限224万)を支給。

外部リンク:全国健康保険協会,スタディング FP講座

それでは過去問を解いてみましょう。

〇✕でお答えください。問⑤のみ3択です。

問① 介護保険法において、予防給付を受けようとする被保険者は、要支援者に該当することおよびその該当する要支援状態区分について、市町村または特別区の認定を受けなければならない。
問② 雇用保険の一般被保険者が30年間務めた勤務先を60歳で定年退職し、退職後に基本手当を受給する場合の所定給付日数は、その者が就職困難者に該当する場合を除き、最長で180日である。
問③ 健康保険の任意継続被保険者となるための申出は、原則として、被保険者資格を喪失した日から20日以内に行わなければならない。
問④ 公的介護保険による保険給付の対象となるサービスを受けた者の自己負担割合は、原則として、そのサービスにかかった費用(食費、居住費等を除く)の3割である。
問⑤ 全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者に支給される傷病手当金の額は、1日につき、原則として、当該被保険者の標準報酬日額の(      )相当額である。
  1. 3分の1
  2. 3分の2
  3. 4分の3

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解答

問① 〇 問② ✕ 問③ 〇 問④ ✕ 問⑤ 2

Wiki技能士

健康保険の申出20日間、国民年金の申出14日間。
雇用保険は最大150日というのは、超重要です。
国民年金は別項目ですが合わせて覚えておきましょうね。