この項目は3級では細かいところは出ないと思います。全体をさらりと掴んでおいて、せめて等価交換方式は押さえておきましょう。
不動産の有効活用
等価交換方式
等価交換方式とは、土地所有者とデベロッパー(土地開発業者)が共同して、その土地にマンションやビル等を建設する方式。
土地所有者は土地の一部を処分して、建物の一部(例えばマンションならいくつかの部屋)を手に入れ、デベロッパーは建物の残りと土地の共同持分を手に入れます。
それにより土地所有者は事業資金を必要とせず、リスクが少ないので採算性は極めて良い。
その他の手法
事業受託方式
デベロッパー(土地開発業者)に依頼して土地活用を行う。すべてお任せにもできるので土地所有者の業務負担が軽減される。 収益性は落ちるが賃料保証を利用すれば空室リスクの回避ができる。
建設協力金方式
建物に入居するテナントから建設協力金を借り受けてそのテナントが望む建物を建設し賃貸(借家契約)する方式である。
(郊外レストランや量販店をキーテナントにしている施設に多く見られる方式)
テナントから借りた資金は受け取る家賃の中から返還していく。
土地は貸家建付地、建物は貸家の評価になる。
建設する建物はそのテナント向けの構造となるため、その後の汎用性は悪い。
定期借地権方式
定期借地権方式は、土地を一定期間貸し付けて収益を上げる方法である。 そのまま貸すので土地所有者は事業資金の負担がいらず、収益も比較的安定している。ただし全般的に収入は少ない。
不動産の投資判断
不動産の利回り
さまざまな不動産投資の採算性を評価するための尺度として次のような各種の利回りが用いられる。
総収入利回り(単純利回り)
年間賃料総収入÷総投資額×100
純収入利回り(NOI利回り)
(年間賃料総収入-諸経費)÷総投資額×100
諸経費を計算に含めることで実際の利回りに近い。基本となる収益率。
※総投資額は(自己資金+借入金)
レバレッジ効果
レバレッジ効果とはテコの原理のこと。 不動産投資では自己資金と借入金を併用して収益性を高めることです。 お金借りて投資するんでギャンブル性高いですね。
内部収益率(IRR)
対象の不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益(キャッシュフロー)の現在価値の総和と、保有期間満了時点における対象不動産の復帰価格の現在価値を合算して求めた不動産の収益価格が、投資予定額と同じになる割引率のこと(内部収益率)。期待収益率と比較し、結果がゼロやプラスなら投資価値アリ。マイナスなら投資価値なしということになる。
外部リンク:㈳不動産協会,スタディング FP講座
それでは過去問を解いてみましょう。
問①のみ〇✕でお答えください。
問① 土地の有効活用において、一般に、土地所有者が入居予定の事業会社から建設資金を借り受けて、事業会社の要望に沿った店舗等を建設し、その店舗等を事業会社に賃貸する手法を、事業用定期借地権方式という。
問② 投資総額8,000万円で購入した賃貸用不動産の年間収入の合計額が500万円、年間費用の合計額が120万円である場合、この投資の純利回り(NOI利回り)は、( )である。
- 1.50%
- 4.75%
- 6.25%
問③ 土地の有効活用方式のうち、一般に、土地所有者が土地の全部または一部を拠出し、デベロッパーが建設費等を拠出して、それぞれの出資比率に応じて土地・建物に係る権利を取得する方式を、( )という。
- 事業受託方式
- 建設協力金方式
- 等価交換方式
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解答
問① ✕ 問② 2 問③ 3