土地や家屋など不動産には、取得する際に支払う税金と、その後に維持するために毎年払う税金がある。
不動産取得時の税金
不動産取得税
登記の有無を問わず、現実に土地を建物を取得した者に対し、都道府県が課税する(売買・交換・贈与・新築・増改築など)。
相続や法人の合併などの取得は非課税とされる。
課税標準※は固定資産税評価額。税率は土地と住宅は3%となる。
※税額を計算するときに、税率をかける対象金額のこと(例:税額=課税標準×税率)
住宅の課税標準の特例
住宅(居住用やセカンドハウス用)を取得する場合、以下の通り固定資産税評価額から一定額控除した額を課税標準にできる。
新築住宅(自己居住用・貸家)の場合
床面積50㎡(戸建て以外の貸家は40㎡)~240㎡以下の新築を取得した場合、固定資産税評価額から1,200万円※控除できる。
※認定長期優良住宅は1,300万円控除できる。
中古住宅(自己居住用のみ)の場合
床面積50㎡~240㎡以下で一定の条件を満たせば建築時期ごとに異なる控除額で固定資産税評価額を控除できる。
新築住宅の税額軽減の特例
一定要件を満たす新築住宅は、一定期間、固定資産税が軽減される。
- 床面積120㎡以下の部分の税額が2分の1に軽減される。
消費税
譲渡 | 貸付 | |
---|---|---|
土地 | 非課税 | 非課税(1ヵ月未満の貸付は課税) |
建物 | 課税 | 課税(住宅は非課税) |
印紙税
課税文書の作成者が納税義務者となる。
通常、売買契約書等は2通作成し印紙を貼付して消印することで納付。双方が所持する。
払い忘れや消印し忘れは過怠税が課される。
登録免許税
不動産を登記するときには国が課税する。
登記権利者(買い主)と登記義務者(売り主)が連帯納税義務を負う。
課税標準は原則、固定資産税評価額。
不動産の保有にかかる税金
固定資産税
毎年1月1日現在において、不動産の所有者に対して市町村等が課税する。
★実は年度の途中で売却しても1年分の納税義務がある。しかし現実には売買取引慣行上、買主が日割りで払わされる契約が多い。
税額
固定資産税評価額×標準税率1.4%
※標準税率とは、通常はその税率にすべきとして定められている税率。しかし各市町村は変更もできる。
住宅用地の課税標準の特例
居住用であればいいので自宅じゃなくてもOKです。賃貸アパートとかも可能。
要件 | 軽減内容 |
---|---|
小規模住宅地 (200㎡以下の部分) | 課税標準が6分の1になる |
一般住宅地 (200㎡超の部分) | 課税標準が3分の1になる |
都市計画税
毎年1月1日現在において、市街化区域内に所在する不動産の所有者に対して市町村等が課税する。
税額
固定資産税評価額×税率0.3%(上限)
住宅用地の課税標準の特例
要件 | 軽減内容 |
---|---|
小規模住宅地 (200㎡以下の部分) | 課税標準が3分の1になる |
一般住宅地 (200㎡超の部分) | 課税標準が3分の2になる |
外部リンク:法務省,スタディング FP講座
それでは過去問を解いてみましょう。
問①③⑤は〇✕でお答えください。
問① 不動産取得税は、相続人が不動産を相続により取得した場合には課されない。
問② 固定資産税における小規模住宅用地(住宅用地で住宅1戸当たり200㎡以下の部分)の課税標準については、当該住宅用地に係る固定資産税の課税標準となるべき価格の( )の額とする特例がある。
- 6分の1
- 3分の1
- 2分の1
問③ 新築の戸建て住宅の取得に対する不動産取得税の課税標準の算定上、「不動産取得税の課税標準の特例」の適用を受けることにより、固定資産税評価額から最高で1,500万円を控除することができる。
問④ 認定長期優良住宅ではない2階建ての新築住宅に係る固定資産税については、「新築された住宅に対する固定資産税の減額」の適用を受けることにより、新たに固定資産税が課されることとなった年度から3年度分に限り、床面積(①)㎡までの部分に相当する税額が(②)に減額される。
- ① 50 ② 4分の1
- ① 100 ② 3分の1
- ① 120 ② 2分の1
問⑤ 贈与により不動産を取得した場合、不動産取得税は課されない。
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解答
問① 〇 問② 1 問③ ✕ 問④ 3 問⑤ ✕