宅地建物取引業法と借地借家法について学びます。ここもまた難しく、2級、1級でも強敵です。しっかり学習していきましょう。

宅地建物取引業法

宅地建物取引業

宅地建物取引業とは、宅地と建物を売買して商売してる業種で、免許が必要です。

  • 宅地建物の売買・交換 
  • 宅地建物の売買・交換・貸借の代理
  • 宅地建物の売買・交換・貸借の媒介

自ら所有する物件を自ら賃貸する場合は、宅地建物取引業には当たらないため免許は不要です。

宅地建物取引士の設置

業者は事務所ごとに宅地建物取引士の設置義務がある。
契約前の重要事項の説明や交付する書類への記名押印等は
宅地建物取引士にさせること(専任でなくてよい)。

媒介契約の種類

宅建業者に媒介をお願いして売買相手を探してもらう場合、一般媒介、専任媒介、専属専任媒介契約の3種類がある。

媒介契約他業者へ
の依頼
自己取引業務報告義務有効期間
一般できるできるなしなし
専任できないできる2週間
1回以上
3か月
を上限
専属専任できないできない1週間
1回以上
3か月
を上限
3か月超えた部分は無効。更新は依頼者の申出のみ可(自動更新不可)

報酬額の制限

媒介取引において売主、買主それぞれ一方からもらえる報酬は上限がある。

例)貸借の媒介で貸主・借主双方から受領できる報酬額は、原則、合算して借賃の1カ月分以内+消費税が限度

       

売買契約上の留意点

手付金の制限

不動産売買は長期に渡るため、手付金が民法で規定されている。
(購入までの手続きを日数を掛けて始めていくので先にいくらかお金を渡す)
手付金は特に定めがなければ解約手付の性質を与えられ、

・契約の相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄売主は手付の倍額を買主に償還することで契約を解除できる。

(参考)履行の着手とは、買主は代金(内金も含む)の支払い、売主は物件の引き渡しや登記等が該当するよ♪

宅地建物取引業者が売主で(買主は業者以外で)の場合には、売買代金の2割を超える手付金を受け取ることはできない。

危険負担

民法上、売買契約締結後~引渡し前までの間に、自然災害などで売主の責めによらない事由で建物が滅失した場合、買主は売買代金の支払いを拒絶できる。

契約不適合責任

売買契約において、目的物の種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない場合に、売主が買主に対して負うこととなる責任。 この場合、買主が売主に対し不足分の請求(追完請求)や代金減額請求、損害賠償請求、契約解除を行うことが出来る。
これらは買主が不適合を知った時から原則1年以内に売主に通知しなければならない。

       

借地借家法

借地権

借地権とは建物の所有を目的とする地上権または土地の貸借権の事で、借地権には、更新のある普通借地権と更新のない定期借地権がある。

普通借地権

  • 存続期間:初回30年以上
  • 更新あり:地主からの拒絶は正当事由がないとできない。
  • 更新後期間:最初の更新は20年以上、その後は10年以上

定期借地権

定期借地権は種類がありますが、いずれも更新なし。期間経過で契約終了となります。

一般定期借地権
  • 建物用途:制限なし
  • 契約方法:なにかしら書面で契約
  • 存続期間:50以上
事業用定期借地権等
  • 建物用途:事業用に限る(たとえ一部でも居住用は不可)
  • 契約方法:公正証書で契約
  • 存続期間:10年以上50年未満
建物譲渡特約付借地権
  • 建物用途:制限なし
  • 契約方法:制限なし
  • 存続期間:30年以上
       

借家権

借地借家法における借家契約は、普通借家契約と定期借家契約がある。

普通借家契約

  • 契約更新:更新あり。貸主からの拒絶は正当事由必要
  • 期間:1年以上。1年未満の設定は「無期限扱い」となる。
  • 契約方法:口頭でも成立

定期借家契約

  • 契約更新:更新なし。再契約は可能。
  • 期間:自由
  • 契約方法:書面で契約(公正証書でなくてもいい)
  • 契約期間満了通知:期間満了の1年前~6カ月前までに通知が必要。1年未満の契約なら不要

造作買取請求権

借主は同意を得て付加した造作(エアコンとか給湯器とか)を、契約終了の際に貸主に時価で買い取ることを請求できる。
契約時に買取無しにする特約は可能

外部リンク:法務省,スタディング FP講座

       

それでは過去問を解いてみましょう。

問②⑤は〇✕でお答えください。
問① 借地借家法の規定によれば、建物の賃貸借契約(定期建物賃貸借契約を除く)において、(  )未満の期間を賃貸借期間として定めた場合、期間の定めがない賃貸借とみなされる。
  1. 1年
  2. 1年6カ月
  3. 2年
問② 借地借家法上、定期建物賃貸借契約(定期借家契約)を締結するためには、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
問③ 宅地建物取引業法において、宅地建物取引業者が依頼者と締結する宅地または建物の売買の媒介契約のうち、専任媒介契約の有効期間は、最長で()である。
  1. 3カ月
  2. 6カ月
  3. 1年
問④ 宅地または建物の売買または交換の媒介契約のうち、(①)では、依頼者は他の宅地建物取引業者に重ねて媒介の依頼をすることが禁じられているが、(②)では、依頼者は他の宅地建物取引業者に重ねて媒介の依頼をすることができる。
  1. ① 専任媒介契約  ② 一般媒介契約
  2. ① 一般媒介契約  ② 専任媒介契約
  3. ① 専任媒介契約  ② 専属専任媒介契約
問⑤ 不動産取引において、買主が売主に解約手付を交付したときは、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄することで、売主はその手付を返還することで、それぞれ契約を解除することができる。

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解答

問① 1 問② 〇 問③ 1 問④ 1 問⑤ ✕